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■ [その他] 毒吐記

久しぶりに毒を吐こうかなと思う。

の記事をまず見てもらいたいのだが、これを見ても「悪法も法。文句があるなら自らで法を変えればいい」などという腐れ論者はそれを肯定するのだろうか。そもそもそのような思考を持つ人間は、法を変えるということがどれほど大変なことか分かっていないのではなかろうか。分かっていて恥じることなくそう考えるのであれば、もはやそんな人間について論ずる価値もない。悪法と思うならば、すべからく皆がそれを変える努力を行わなければならない。それが法治国家のありかたである。

通常、法律の原則は「疑わしきは罰せず」である。これが現実に守られているかといえば大いに疑問が残るが、少なくともそれが根本にある。翻って今回の上記事例を見ればどうか。「疑わしきは罪人。全て有罪にしろ」と言わんばかりのやり方だ。これも法によって保護されている利益搾取の方法であるが、ヤクザの「みかじめ料」と何が違うのか聞いてみたいものだ。少なくとも私には、どちらも同じように思える。(みかじめ料の場合は、その店が何かトラブルを抱えたときに、ヤクザが多少便宜を図ってくれるという意味合いがあり、今回の場合は法廷闘争に巻き込まれないという意味合いがある)

前に似たような事例があったが、今回は少し事情が違っている。全てではないにしろ、ほとんどがオリジナル曲の演奏であったにも関わらず、一律全て「JASRAC管理曲」の演奏であった、という判断で請求されている。また、一切演奏をしない月にもその代金を支払わなければいけないという点。全く不合理だ。

JASRAC側の「実際に何曲演奏されたか判断が出来ない」という意見にも一理はある。しかし、だからといって店の規模によって一律いくら、というのは横暴すぎる。また演奏を行わない月に関しても請求するというのは論外だ。法律的に合法であっても、倫理的に見てこれは適法と言えるのか。決してそうは言えないと私は思う。

競争が適正に行われない業界の弊害と、JASRACに関する種々の問題は似ている。音楽著作権管理という点において、JASRACは圧倒的独占地位にいる。そのような立場にあっては、JASRACのやり方こそが正義・法だ。かつてNTTが批判されたように、JASRACも自らの行いを正さなければならない時期に来ているのではないか。

それが自浄努力によって行えないのであれば、国家による強制介入もやむを得ないだろう。かつてNTTが3社に分割されたように、JASRACもその役割によって強制的に分割し、各々の区分を決めて特定業務しか行えないようにする。そして他の音楽著作権管理会社との間で競争が起こるようにし、著作者が最も自分に適したサービスを行う管理会社を自由に選べるように。そんな改革を行うべき時期に、日本の音楽業界はさしかかっている。

しかし、そこで問題になってくるのはこの日本の音楽業界の閉鎖性だ。輸入権絡みの問題でもそうだったが、有力レコード会社のトップと政府の間の馴れ合いで話が決まってしまった。そんな現状からすれば、決してJASRACの分割を国家レベルで行おう、なんて話は起こらないし、これからもこんな閉塞した状況下で同じような問題が頻発することは目に見えている。老害が至る所で邪魔をするのが日本の社会風土だが、それは著作権ビジネスでも例外ではないということだ。

まあアレだ、輸入権のときにも思ったけど、政治屋なんてのは著作権ビジネスってものを何かこう「神聖なもの」とか勘違いしてるんだろうか。モノ(この場合、実体の有る無しは関係なく、存在としての「モノ」を指す) を作って売る、って事では全く同じなんじゃねえかと思うんだけどな。例えば車にしたって家電にしたって、それの裏では音楽や小説、ゲームなんかと同じように膨大なアイデアと技術、労力があるわけで、結局人間が寄ってたかってひとつのモノを作る、って点ではどちらも同じ。カタチとして実体が目に見えるか見えないか程度の違いしかない。

だからカタチとして目に見えない(見えにくい) から、それを守るために多少の優遇をしようって事自体は正しい。だけどその優遇策が行き過ぎてしまって弊害を起こしてるってのが現状。んでもって、その優遇策の甘い汁を手放したくない老害が、それを守るためにあれやこれやとロビー活動してるせいで、政治屋も一般市民の声よりそっちを信じて迷走中と。素晴らしい日本の著作権業界を作り上げてくれちゃってるわけだ。

まあ色々脱線してしまったけれど、もともとの話に戻ると。こういう事がまかり通る世の中は、自らの利権にしか興味のない「老害」と「悪法も法」と考えてくれる、心やさしき方々が作り上げたのだということ。そして、自分のように「口だけで行動しない」輩がそれを助長した世界だということ。それだけは間違いない。

■ 最終更新  23:51

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