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■ [その他] ちょっとしたこと

にくちゃんねるが閉鎖される発表がされたあとでタイミング悪いですが、19日付でOpenSearch形式の検索プラグインをアップしています。12月末までしか使えませんが、よろしければどうぞ。

http://d.hatena.ne.jp/cruel/20060802#p3

■ [ネット] この時期に発表されたWinnyによる被害額報道は世論誘導のためか?

今日の朝報道されていたニュースの話ですが、Winnyの使用による被害総額は100億円以上だという発表がされていたようです。

「Winny」による被害相当額は約100億円の規模と推定

ACCS ニュースリリース : http://www2.accsjp.or.jp/topics/release2.html

ITmedia : http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/28/news075.html

ACCSのニュースリリースによると、

2006年10月10日の18時から24時までの6時間について実施し、その結果、少なくとも21万ユーザーのコンピュータなどでファイル交換ソフト「Winny」が利用されていること、また音楽では61万ファイル(1ファイル当たりのJASRAC管理楽曲を7曲とすれば、月額使用料換算で約4.4億円相当)、ビジネスソフトウェア約61万タイトル(平均価格換算で約19.5億円相当)、ゲームソフトウェア約117万タイトル(同約51.3億円相当)、アニメーション約18万タイトル(同約17.2億円相当)、コミック約159万タイトル(同約7.0億円相当)が流通していることを、それぞれ確認しました。

ということらしいです。どのような手法でどんな分析をした結果この数字になったのかは不明ですが、おそらくハッカージャパン誌が独自に行っているような手法(流れてくるキーを根こそぎリストアップ)ではないかと勝手に推測します。(ネットエージェント社が協力してコンテンツ解析まで行ったとすれば、どちらかのリリースに書かれていると思うので)。

その前提に立った上での話ですが、この数字は正確な数字ではありません。もちろん、ユーザー数が動的に変わり続けるP2Pというシステムで正確な被害額を出せない事は当たり前ですし、その全容など誰も知るすべはありません。ここで問題にしているのはそういう原則論ではなく、この算出方法に対する疑問点があるからです。

  • 疑問 1. 調査実施時間が短い

平日の夜間6時間のみを対象としていますが、いくら被害額の全貌を調べるのが難しいとはいえ、これは短すぎると思われます。やるならば個人ユーザーからの接続が多いと思われる土曜の夜から日曜の夜にかけて、24時間程度は実施するべきでしょう。

  • 疑問 2. 実際のファイル流通に対する理解が足りていない可能性がある

現状、Winnyによるウイルス騒動でも周知の通り、人気のある(=著作権を侵害している)ファイルに見せかけたウイルス、または偽ファイルが多く流通しています。それを除くにはダウンロードして調査する等の必要があるため、実行するのは困難(法的問題・それにかかる手間など)でしょう。そのため、このリリースにはそのようなノイズによるマイナス分があることも考えておく必要があります。

  • 疑問 3. Winnyの仕様についての理解が足りていない可能性がある

現在のWinnyシステムは、既にWinny上で流通しているファイル名を別のファイル名で上書きし、全く別のファイルと見せかけることができます。そのため、実際にACCS側で違法コンテンツと認識したものが、実は著作権的に問題のないファイルであった可能性もあります。上記「疑問 2」によるノイズと同様、この分もマイナスする必要があるでしょう。

以上のことから、この数字自体はあくまで6時間でファイル名だけを収集し、それに含まれる違法コンテンツをリストアップしてその金額を合算しただけのものでしかありません。これをもとに実際の被害額を考えたりする指標にはなりませんし、参考とするにも難しいでしょう。

はじめに書いたとおり、Winnyの仕様上、実際の被害額や流通量を確認するのは不可能に近いため、このような形でしか調査できないのは分かります。ただ、それにも関わらずニュースリリースには「実態を調査し、その侵害を確認した」とあり、あたかも全てが正確な数字であるかのように書かれています。これではWinnyの仕様に詳しくない一般ユーザーに誤解が発生する可能性があり、正しいニュースリリースとは言えません。(せめて「上記は簡易調査による概算であり、実態とは異なる可能性がある」程度の断りでもあれば別ですが)

タイトルにもしている世論の誘導という点に関して、上記の数字を確定的に述べている点からもその一端は窺えるのですが、なぜ今このリリースが公開されたのかを考えると、その意図がより明確になってくると思います。

まず第一は、Winny作者の金子氏に対する裁判に影響を与えるためでしょう。来月頭にも判決が言い渡される予定となっていますが、これだけの被害をコンテンツ制作者側に与えるWinnyを作った責任がある、と、司法に対して最後の揺さぶりをかけたいという意図があるのではないでしょうか。

第二に、政府が2008年の著作権法改正案に盛り込もうとしている、ダウンロードをも罰則対象にするという案に対して、世論を誘導したいという意図もあるでしょう。

ダウンロード、海賊版は禁止 政府、著作権法改正を検討

http://www.asahi.com/national/update/1123/TKY200611230288.html

これだけの被害が存在するから、ダウンロードも違法行為として取り締まらないと国益を損ずるという主張の裏付けのために、この数字を持ってきたとも考えられます。政界や権利者に対するアピールはもとより、一般市民に対しても、これだけの被害が出るようならダウンロードの取り締まりもやむなしという、(ミスリードによる)世論を作りたいという思惑が見え隠れします。

以上、いささか陰謀史観的な見方でこのニュースリリースを取り上げましたが、Winnyによる著作権侵害行為を推奨しているわけではありませんのであしからず。この正確とは言えない数字を持ち出したニュースリリースをなぜ今持ってきたのか、ちょっと考えてみると、なにやらきな臭いにおいがしたのでまとめてみただけです。

■ 2006/11/30 追記

4Gamer.netに、より詳しい算定基準が載っていました。この記事からも、検証方法はファイル名からの調査だけということが窺えますね。

6時間でのWinny被害は約100億円,さてその内訳は?

http://www.4gamer.net/news/history/2006.11/20061129173402detail.html

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